208.忌中札と神棚封じ、寺院・神社・教会へのお礼(1) (2017-07-03)
■■忌中札と神棚封じ
■死者が出たことを知らせる「忌中札」
その昔、死者が出た家では、玄関に「忌中」と書いた札を掲げました。これは死=穢れと考えた時代に、穢れを他に及ぼさぬよう、死者が出たことを告知し、「遺族は死の穢れに染まり、家にこもっています」ということを知らせたのです。
いまは死=穢れとはとらえないので、単に死者の出た家であることを知らせる告知板になっています。
本来はすだれを裏返しにし、その上に忌中の紙を貼りました。いまはすだれは省略し、忌中の紙だけ玄関に貼るか、額に入れて掛けることが多いようです。忌中の紙で、通夜や告別式の日時を訪問者に知らせます。
浄土真宗では「忌中」ではなく、「還浄」の紙を貼ります。
最近は、葬儀で留守をしていることを知らせると泥棒に入られるというので、貼らないよう勧められています。
■神棚に白い紙を貼る「神棚封じ」
人が亡くなったとき、家の神棚や御霊舎に「神棚封じ」をします。遺族ではなく、穢れの及んでいない他人にしてもらうしきたりで、普通は葬祭業者がします。
扉のある神棚や御霊舎は扉を閉め、半紙を縦に貼ります。扉のない神棚は、祭壇の上部から半紙を貼りさけて、御神体を隠します。
そのまま忌明まで開けないようにし、お参りも控え、供物、御神酒、灯明もあげません。
仏壇も同様に紙を貼り、忌明まで仏壇封じをすることがありますが、これは誤りです。仏壇は開けておきます。
■■寺院・神社・教会へのお礼(1)
■直接出向いてお礼を
葬儀の翌日、遺族はお世話になった寺院・神社・教会に出向いてあいさつをし、お礼を手渡します。
葬儀の終わった時点で、ひと言「明日ごあいさつに伺います」と告げておくとよいでしょう。
服装は、平服でかまいません。
翌日の都合がつかないときは、葬儀の当日にお礼をしますが、別室で「本来は直接伺ってお礼申し上げるべきところですが……」ときちんとあいさつして渡しましょう。
お金は、白い封筒に入れます。
宗教者自身の不幸ではないので、不祝儀袋には入れません。
できればふくさに包んで持参し、ふくさを開いて、相手から見て、表書きが正面になるように手渡します。
封筒の表書きは、宗教により異なります。
■仏式のお礼は「御布施」
戒名をいただいたこと(授戒)と通夜・葬儀・火葬の導師を務めていただいたお礼を一括し、表書きは「御布施」とします。
「戒名料」「読経料」などとはしないので注意しましよう。
導師以外の僧侶へのお礼は別包みにして、表書きは「御礼」として、導師に預けます。
「お車代」を別途に包む場合もあります。また、通夜振る舞いや法事後の会食に僧侶を招きますが、出席できないときは、「お膳料」を包みます。
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もしもの時
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