120.遺言は法律の方式通りでないと無効(3) (2017-04-03)
■■遺言は法律の方式通りでないと無効(3)
■公正証書遺言の作成に必要な書類
①遺言者と2人の証人の印鑑証明、実印
②遺言者と相続人の続柄が分かる戸籍謄本
③相続人以外の人に遺贈する場合、住民票など
④不動産の場合、登記簿謄本および固定資産税評価証明書、その他の財産についての目録
■■遺言書が複数あった場合は最新のものを優先
遺言は最初に書いた内容に加筆、修正することもありますし、時期を異にして書き直す場合もあります。このため、往々にして遺言書が複数出てくる場合があります。この場合、最も日付の新しいものが優先されることになっています。というのも、遺言はあくまでも遺言者の最終意思を尊重するからです。
ですから、日付が最も新しい遺言書の内容が優先され、仮に以前のものと遺言内容に異なることがあれば、以前の遺言の異なる部分が取り消されたものとみなされます。
■■遺言の執行者を選ぶ
「遺言書に記載できる事項」の中に「遺産分割の禁止」がありましたが、遺言の内容によっては、その内容を実現するために執行行為を必要としないものもあります。
しかし、一般的には、特定物の遺贈で目的物の引き渡しや登記など、いろいろな事務手続きが伴いますから、遺言の内容を確実に実現するために、通常は遺言執行者を選任します。
遺言執行者には、遺言にその指定がある場合はその人がなります(民法一〇〇六条一項)。指定のない場合は遺言によって「遺言執行者指定」を委託された者による指定(民法同条一・二項)、さらには家庭裁判所によって選任されますが(民法一〇一〇条)、この場合は弁護士、税理士などが選任されるケースが多いようです。
遺言執行者は、まず相続財産を整理して目録を作成・提示、財産管理など、執行に必要な一切の行為を行います。もちろん、相続人が勝手に相続財産を処分したり、執行の妨害をすることは許されません(民法一〇一三条)。
■■勝手に開封はできない
遺産処分に先立って遺一言書の開封・検認が行われます。
封印のある遺言書は、相続人や保管者が勝手に開封できません。勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられます。ですから、家庭裁判所において相続人、またはその代理人の立ち会いのもとで開封されます(民法一〇〇四条三項)。ただし、封印のないものには、右のような規制はありません。
また、公正証書遺言以外の遺言については、家庭裁判所の検認を受ける必要があります。ですから、遺言の保管者、あるいは遺言書を見つけた相続人は、遺言者の死亡を知った時点で速やかに家庭裁判所に遺言書を提出。葬儀前後に検認の請求を行います。
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