29.名義変更・名義書き換え手続きはできることから着手する (2016-12-31)
葬儀が終わった後、夫の名義だったものは、妻を代表とする遺族の名義に変更あるいは書き換える必要があります。その手続きはすぐにできることと遺産相続確定後でなければできないことに分けられます。
■死亡後すぐに手続きできるもの
すぐにできる名義変更の手続きには、①住民票の世帯主変更、②電気・ガス・上下水道などの水道・光熱費および電話、NHKの受信料、③住居や駐車場などの賃貸契約、④夫が契約者となって家族の誰かを被保険者にして加入していた保険、⑤そのほか遺族が引き継いで使うものがあります。
①は住民登録をしてある役所の窓口へ行って、変更届を提出します。ただし、夫が世帯主でなかった場合は手続きの必要はありません。
②は電力会社、ガス会社、水道局、電話会社、NHKそれぞれに、まず電話連絡をします。口頭で申し出るだけで手続きが完了するものと、書類提出が必要なものがあります。書類提出が必要なものについては、必要書類が相手先の所定のものであれば郵送してもらい、必要事項を書き込んで返送します。
③は大家または不動産会社などの賃貸契約の窓口になっているところへ電話連絡し、必要書類や方法などを確認してから手続きをします。
④は加入している保険会社に電話をし、必要書類や方法を確認して手続きをします。夫自身が被保険者となっている保険の死亡保険金の受取り手続きについてはまた別の機会に説明します。
⑤はそれぞれの窓口に連絡をして手続き方法の確認を。
②~⑤で夫の金融機関の口座から自動引き落としにしてあるものは、引き落とし口座の変更手続きも同時に行なうようにしましょう。
これらの手続きのうち、住民面示の世帯主変更届の提出期限は14日以内ですが、それ以外はとくに期限はありません。しかし、落ち着いたらできるだけ早く手続きをしましょう。
■遺産相続確定後に手続きするもの
遺産相続確定後、なるべく早く行なう名義書き換えは、不動産、自動車、金融商品類の財産(遺産)関係です。
不動産は法務局、自動車は陸運支局事務所、金融商品は銀行・郵便局・証券会社などが窓口で、多くの書類が必要になります。ほぽ共通して必要となる書類は、遺産分割協議書、故人の除籍謄本、相続人全員の住民票・戸籍謄本・印鑑登録証明書などです。事前に、窓口の機関や会社に電話するか出向くかして必要な書類を確認するとともに、所定の書類があれば入手しておきます。また、手続きの方法も確認しておくこともお忘れなく。
相続税の申告・納付は夫が死亡してから10か月以内が一応の期限ですから、それまでに遺産分割協議をすませて必要書類を揃えた上で手続きを行ないましょう。
相続に関する手続きはシロウトの手に余ることも多いため、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に相談しながら進める、あるいは依頼できる部分は依頼するといいでしょう。
なお、相続には故人の債権(貸金)・債務(借金)も関係がありますから、故人の遺品を整理していてこれらの存在を証明する書類が見つかった場合は保存・整理しておき、そのほかの遺産相続の手続きと一緒に処理しましょう。
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もしもの時
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